インボイスと農業所得 2022.11.7
令和5年10月1日より「インボイス制度」がスタートします。 「インボイス制度」は消費税に関する新制度であり、課税範囲が非常に広範囲にわたるということもあり、いくつかの特例措置が設けられています。 今回はその内、農業所得者(生産者)に関する特例の説明をします。 1.交付義務の免除(インボイスの交付が困難な取引) (1)卸売市場特例 生産者は卸売市場に対し販売委託を行い、卸売市場がインボイスを発行することで買い手の仕入税額控除を認める。 生産者がインボイス登録事業者であるか否かを問わない。 (2…
国が高額療養費制度の見直しを検討 2022.10.24
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※1)が、ひと月(月初から月末まで)において上限額(※2)を超えた場合に、その超えた金額が支給する制度です。 ※1 この金額には保険適用外の治療代、入院中の食事代や差額ベッド代などは含まれません。 ※2 上限額は年齢や年収によって異なります。 この制度のおかげで、思ったよりも入院費・手術費が少なくて助かったという方もいらっしゃると思います。 ところで、令和4年7月に財務省が「令和4年度 予算執行調査の調査結果の概要」という調査結果を公表しまし…
e-taxの利用者数について 2022.10.3
令和2年初めから現在に至るまで、未だ猛威をふるい続けるコロナウィルスの影響により外出を控えることが多くなりました。 例年2月から3月にかけて提出します確定申告に関しても例外ではなく、コロナ以前は申告会場へ足を運んでいたが、自宅からのe-taxに切り替えた方もいらっしゃるかと思います。 先日国税庁から発表されました『令和3年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について(報道発表資料)』の中で、具体的にe-taxの利用者がどれだけ増えているのか発表されました。 1.自宅からのe-taxの利…
みなし相続財産~生命保険金編~ 2022.9.26
1.みなし相続財産とは 生命保険のうち、死亡保険については民法上、受取人に帰属する財産に分類され、被相続人に帰属する財産ではないと取り扱われています。 しかしながら相続税法上は、その財産を相続財産の対象外にすることに弊害が出ることが予想されるため、相続税法上、一定の非課税枠を超える部分については、課税財産に算入することを定めています。 このような財産のことを相続税法上、みなし相続財産と言います。死亡保険金以外では被相続人が受け取るべきとして相続人に支払われる死亡退職金がこの財産に該当します。 2…
納税管理人とは 2022.9.20
海外居住者、海外へ長期転勤になるなどにより国内に住所を有していない又は有しないこととなる人は非居住者です。 非居住者で日本国内での所得(不動産、配当等)がある人、相続税、贈与税、住民税、固定資産税の納税の必要がある人は出国される前に納税管理人を選任する必要があります。 非居住者でも日本国での所得がなければ納税管理人は必要ありません。 納税管理人とは 納税義務者に代わり、納税に関する一切の手続き(確定申告書の提出、納税通知書の受領、納税、還付通知の受領、還付金の受領、税務署などから送付される書類を…
個人事業税について 2022.9.5
コロナによる協力金等で収入が上がったことにより、今年初めて個人事業税の徴収が来た!何の税金!?という方も多かったと思います。 個人事業税とは以下の人が当てはまります。 ・その都道府県に事務所や事業所がある ・所得(事業所得+不動産所得)が290万円以上 ・法律で定める70の職種である 個人事業税の支払い義務があるのは事業所得と不動産所得を合わせた所得が290万円以上の人です。 これは、個人事業税を計算する際、収入から290万円の事業主控除を差し引くため。 売上から必要経費を差し引いた額が290万…
講師に支払ったお車代も源泉徴収が必要!? 2022.8.22
居住者に対して、所得税法204条に掲げる報酬・料金等の支払をする者は、原則として、その支払の際、所得税および復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。 所得税の源泉徴収が必要とされている報酬・料金等については、これらの名称で支払われるものだけではなく、たとえ謝礼、賞金、研究費、取材費、材料費、車賃、記念品代、酒こう料などの名称を使って支払われるものであっても、その実態が報酬・料金等としての性質を有するものについては、報酬・料金等に含めて所得税の源泉徴収が必要です。 講師に講演の謝礼を支払う際…
事業復活支援金の支給に伴う各自治体の支援金 2022.8.17
事業復活支援金の申請が2022年6月をもって終了し、2022年7月31日時点では、国からの支援金等(ここでいう「支援金等」とは、売上の減少等を要件として事業継続のために支給されるものを指しています)は予定されていません。 なお、事業再構築支援金のように、新たな事業展開のための設備投資等を要件として支出を補助する目的で支給されるものは、今後も順次発表されるかもしれません。 しかし、事業復活支援金の支給を要件として、地方自治体から支援金を受けることができる場合があります。 7月31日時点で「事業復活…
ふるさと納税のワンストップ特例を申請していたが、翌年確定申告書を提出することになった場合の注意点 2022.8.8
ふるさと納税制度とは、都道府県・市区町村に対してふるさと納税(寄附)をすると、寄附額のうち2,000円を超える部分について、一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から控除されるものです。 ふるさと納税で控除を受けるには、原則としてふるさと納税を行った翌年に確定申告書を提出することになりますが、一定要件を満たす場合には確定申告をせずに住民税から控除が受けられるふるさと納税ワンストップ特例制度があり、確定申告をしないサラリーマンにも利用しやすい制度となっております。 1.ワンストップ特例制度の…
配偶者居住権とは何ですか? 2022.8.1
配偶者居住権とは、令和2年4月1日以降に発生した相続から認められるようになった制度で、夫婦の一方が亡くなった場合、残された配偶者が亡くなった人が所有していた建物に亡くなるまで、もしくは一定の期間、無償で居住することができる権利のことです。 建物の価値を「所有権」と「居住権」に分けて考え、残された配偶者は建物(居住用家屋)の所有権を持っていなくても一定の要件があり、居住権を取得することで、亡くなった人が所有していた建物に引き続き住み続けられるようにするものです。 ~配偶者居住権が成立するための要件…