贈与
被相続人からの生前贈与 2022.6.27
相続税の申告をする際、被相続人から生前贈与を受けた財産を相続財産に加算しなければならない場合があります。 1.相続時精算課税制度を利用していた場合 2.相続財産を相続または遺贈により取得した者が相続開始前3年以内に被相続人から生前贈与を受けていた場合 今回お話したいのは「2」に該当する場合の相続税申告書の書き方についてです。 まず、対象となる者は「相続財産を相続または遺贈により取得した者」です。 この書き方の通り、法定相続人でない人も対象となることがあります(例:お孫さんが死亡保険金を受け取った…
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長等 2022.2.21
令和3年12月10日に令和4年の税制改正大綱が発表されました。今回はその一部である住宅取得等資金贈与に係る贈与税の非課税措置についてお伝えします。 (1)適用期限の延長 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置等について、適用期限(令和3年12月31日)を2年延長した令和5年12月31日までとなります。 (2)非課税限度額 令和4年1月以降の贈与について、契約の締結時期にかかわらず、住宅取得等資金の贈与を受けて新築等をした次に掲げる住宅用家屋の区分によります。 (3)適用…
一般贈与と特例贈与の両方の計算が必要な場合 2021.9.22
贈与税の計算は、まずその年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。 続いてその合計額から110万円を差し引き、その残った金額に税率を乗じて計算します。 平成27年以降の贈与税の税率は、「一般贈与財産」と「特例贈与財産」に区分されました。 ここまでの内容については過去のブログでも記載しておりますのでご参照ください。 贈与税って一体どんなもの!? (yoshizei.com) 今回のケースは、20歳以上の方が、同年度中に配偶者から100万円、自分の両親から4…
贈与財産の加算と税額控除(暦年課税) 2021.8.10
相続又は遺贈などにより財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内(死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間)に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与時の価額を加算します。 また、その加算された贈与財産の価額に対応する贈与税の額は、加算された人の相続税の計算上控除されることになります。 加算される価額の基になる贈与財産の範囲と控除する贈与税額は次のとおりです。 (1)加算する贈与財産の範囲 被相続人から生前に贈与された財産のうち相…
孫への教育資金の贈与 2021.2.16
教育資金は発生する時期や金額が割と明確なので準備しやすいですが、進路によって必要となる金額は大きく違ってきます。 例えば、中高一貫の私立校に通う事で、想定していた資金が足りなくなるというケースも少なくありません。 このような場合、不足分を祖父母の援助で賄えるとご両親としては助かりますが、資金援助は贈与税の対象となる可能性があります。 そこで、活用出来る非課税制度を紹介します。 ①暦年贈与 1月1日〜12月31日の間に110万円が贈与税の基礎控除額であり、それ以下であれば贈与を受けても、原則、贈与…
住宅取得等資金贈与で3,000万円の非課税限度額 を利用する場合の期限 2020.3.9
平成27年1月1日から令和3年12月31日までの間に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」という。)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、次の1又は2の表の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります。 ■受贈者ごとの非課税限度額 1.下記2以外の場合 2.住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合 住宅用の家屋に係る対価等の額…
工事が年をまたぐ場合の住宅取得等資金の贈与の注意点 2019.11.18
「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」の特例とは、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築等(新築のほか、取得、増改築等を含みます。)の対価に充てるための金銭を取得した場合に、一定の要件のもと、非課税限度額までの金額について贈与税が非課税となる制度です。 この制度については、以前当ブログでご紹介したことがありますので、今回は詳しい説明は省略しますが、現行の制度のもとでは非課税限度額は家屋の新築等の契約締結日と、家屋の種類(性能)に応じて金額が異なり…
法人から個人へ贈与した場合にかかる税金 2019.10.23
贈与者である法人の課税関係 法人が個人にお金や物をあげた場合の取扱いについては雇用関係の有無により次のようになります。 ・贈与先が雇用関係のある従業員または役員の場合…賞与または役員賞与 ・贈与先が雇用関係のない第三者の場合…寄付金 いずれの場合も会計上の経費にはなりますが、法人税法上については従業員賞与については損金、役員賞与については原則損金不算入、寄付金についても一定額以上については損金不算入となります。 また、土地などの物をあげた場合には、その財産を時価で渡したと考えます。その為、取得価…
相続時精算課税制度を適用できる場合 2019.7.22
相続時精算課税の制度とは、原則として60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の直系卑属(子又は孫)に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度ですが、この要件を満たさない場合でも相続時精算課税制度を利用できる場合があります。 まず一つ目は、父母又は祖父母から住宅取得等資金の贈与を受けた場合です。 この場合は、受贈者は20歳以上の推定相続人である子や孫という要件はかわりませんが、贈与者の父母又は祖父母が60歳未満であっても相続時精算課税制度を準用する事が出来ます。 住宅取得等資金とは…
贈与税の配偶者控除 2018.12.19
夫婦間で居住用不動産、又は居住用不動産の購入・その建築資金を贈与したときは、2,000万円までは贈与税がかからないという贈与税の配偶者控除という制度があります。 配偶者は相続においても贈与においても税金面で、他の相続人に比べると優遇措置が設けられています。 贈与税の配偶者控除もそのうちの一つで、夫婦間の財産形成は夫婦の協力によって得られるものであることや、夫婦間の贈与は配偶者の老後の生活保障を目的とするものであるという考え方のもと、夫婦間の贈与について負担を軽減する意味で優遇措置が設けられていま…