「相続についてのお尋ね」が届いた場合 2018.6.27
ご家族や親せきの方が亡くなられてしばらくすると、税務署から「相続についてのお尋ね」という封書が送られてくることがあります。
この中には「相続税の申告要否検討表」という書類が入っています。相続開始から6~8ヶ月経過した頃に届くことが多いようです。突然税務署から郵便が届き、驚く方も多いでしょう。
この「相続についてのお尋ね」というのは、一体どのようなものなのでしょうか。
死亡届が役所に出されると、その情報は税務署にも通知される事になっています。
しかし全員に対して「相続についてのお尋ね」を送付するわけではありません。
亡くなった方の過去の確定申告の情報や、市町村から提供される固定資産の情報、保険会社からの支払調書等から一定以上の財産があると見込まれ、相続税の申告義務がありそうな相続人に対してこの「相続についてのお尋ね」を郵送します。
とはいえ税務署側も個人の資産を全て把握しているわけではないので、お尋ねが届いたからと言って、必ずしも相続税の申告が必要というわけではありません。
「相続についてのお尋ね」に回答するかどうかは義務ではありませんし、回答しなくてもペナルティが発生する事はありません。
しかし、お尋ねが送付されたという事は、税務署側はある程度の財産があるという事を把握しているはずですので、もし被相続人の財産の額が一定額以下で申告が不要なのであれば、その事実を証明する為にもきちんと検討表に記入をして税務署に提出する方が良いでしょう。
書き方が分からない場合は、税務署に電話で問い合わせれば教えてもらえます。申告が必要なのかどうかご自身で判断できない等、不安がある方は税理士等に相談しましょう。
もし申告が必要だった場合、申告期限が近づいているので、急いで申告の準備をしなければなりません。
申告は必要ないと思っていたのに、申告期限を過ぎてしまった場合は無申告となり、様々なリスクを負う事になります。既に税理士に依頼をし、相続税の申告書の提出準備をしている場合には、回答する必要はありません。そのまま申告準備を進め、申告期限までに申告を行いましょう。
「相続についてのお尋ね」が届き、慌ててご相談に来られる方は当事務所にも多くいらっしゃいます。
相続税の申告は、相続開始の翌日から10ヶ月以内と期限が決まっています。この期限を過ぎると受けられるはずだった特例を受ける事が出来なくなり、特例を受ければ相続税がかからなかったのに、結果的に相続税を支払う事になった。という事もあり得ます。
「相続についてのお尋ね」が届いた方もそうでない方も、不安がある方はまずは早めに専門家にご相談する事をお勧めします。