令和元年度路線価発表 2019.7.8
7月1日に国税庁より本年度分の路線価が発表されました。
路線価とはその年の相続税・贈与税の土地等の評価額の算定基準となる価額で、毎年1月1日時点の価格として発表される公示地価を基準に、その80%を目安として路線に付されるものです。
今年の全国の標準宅地の対前年変動率の平均値は前年比で1.3%のプラスで、4年連続の上昇となりました。傾向としては東京・大阪などの都心部のほか、訪日観光客が多く訪れる沖縄や北海道などのリゾート地で上昇率が高まっています。これに対して、それ以外の人口減少が続く地方部との二極化が色濃く表れています。
全国最高路線価は、34年連続で東京・銀座の文具店「鳩居堂」前で、1㎡あたり4,560万円でした。昨年に続き路線価の過去最高額を更新しましたが、上昇率は前年の9.9%から2.9%と縮小しています。都心の中心部における上昇幅が緩やかになっていますが、その影響は中心部に比べ価格が割安で、交通利便性の高い周辺地域にも及んでいます。
近畿県の路線価の変動率の平均律は、4年連続の上昇となりました。
大阪では、キタ・ミナミとも投資が活発ですが、JR大阪駅北側の「グランフロントタワー南館」前の上昇率が昨年の10.1%から26.8%となり、旺盛なオフィス需要の影響が現れています。
また、価格の高騰が続く中心部のほか、万博の開催が決定したことや「おおさか東線」が全線開業したことにより利便性が向上したことなどから注目が集まるJR新大阪駅周辺で上昇率が拡大しています。
兵庫県内約15,000地点の路線価の変動率の平均率は横ばいで11年ぶりの下げ止まりとなりました。
県内の最高路線価は神戸三宮センター街付近で、1㎡あたり450万円、前年比上昇率は25.0%と、再開発エリアで大幅な上昇となっています。
盛り上がりを見せる都市部の地域と、それ以外の地域との二極化は進む一方です。
路線価の変動は、相続税・贈与税や固定資産税など土地を所有している方には直接影響してくる重要な要素です。
都市部の商業地における路線価の高騰などの影響を受けて、阪神間の住宅地においてもここ数年じんわりと上昇傾向が続いています。
自身が所有する土地等の現在の評価額が気になる方は、ぜひ一度当事務所へご相談ください。