令和2年度路線価発表の概要 2020.7.7
2020年(令和2年)の路線価が7月1日発表されました。全国平均は前年の1.6%上昇となり 、昨年に引き続き路線価は上がり、5年連続で上昇する結果となりました。
昨年2019年の路線価は全国平均で1.3%上昇。昨年より今年の方が伸び率も高くなりました。路線価が昨年から上がったのは21都道府県で、こちらも昨年の19都道府県よりも増える結果に。
特に大きく上昇したのは沖縄県で10.5%。次いで東京が5%、宮城県と福岡県が4.8%、北海道が3.7%という順で伸びました。
上昇が大きい都道府県は主に訪日外国人向けの観光や復興による再開発の影響で路線価も上がっていると考えられます。
すべての都道府県の路線価が上昇しているわけではなく、26都道府県は路線価が下落。しかし、うち19都道府県は昨年と比べ下げ幅が小さくなっています。
ちなみに、最も高い路線価は東京、銀座にある鳩居堂(文具店)前で1㎡あたり4592万円となり、35年連続で全国最高になっています。
国税庁は今回の路線価発表と合わせて路線価の減額修正を含む対応の要否を検討すると発表しました。
今回発表された路線価は2020年1月1日時点の価格で、新型コロナウイルスの影響は加味されていません。
例年は7月1日に発表された路線価をその年の1月1日から12月31日までの1年間適用するのですが、今年は未だ続く新型コロナウイルスの影響で年の途中で地価が大幅に下がる可能性が出ているため検討の余地があることを発表した様子。
路線価は実勢価格の80%程度になるように設定されており、もし1年の間の途中で急激に地価が下がってしまうと路線価が正しく表記されない現象が考えられます。
今年のコロナは例年にない異常事態であるため、国税庁は毎年9月に各都道府県が発表する基準地価格を見た上で、又インバウンドの影響が大きい地域を見た上で補正を検討することを示唆したのでしょう。
このような対応はリーマンショック後でも行われておらず、今回実施されれば初めてのこととなります。
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