営業権 2021.10.5
「営業権」とは、一般的には「暖簾(のれん)」、「老舗(しにせ)」などといわれる企業財産の一種です。
難しい言い回しをすると、「企業が持つ好評、愛顧、信認、顧客関係その他の諸要因によって期待される将来の超過収益力を資本化した価値」ということのようです。
現実的には、営業権とは無形の財産権で売買譲渡の対象となり得るもので、個人が暖簾を売却し譲渡益が算出された場合、総合譲渡所得として課税されることになります。
相続税上でも営業権は財産とされており、財産評価・申告の対象財産となります。
また、会計学上でも財産目録や貸借対照表に計上することが認められています。
通常の個人商店などでは営業権はほぼ発生しないと考えてよいかと思いますが、SNS上で大きな話題となっているような飲食店や、大阪北新地・東京銀座などで老舗として知られるクラブなどは名義変更を行う際、「営業権」を考慮する必要があるといえるでしょう。
ただし、医師や弁護士といったその個人の技術や才能を主とする事業にかかるものは、その個人の死亡と共に消滅するとされ、営業権の評価を行う必要はありません。
営業権の評価方法は以下のとおりです。
平均利益金額×0.5-標準企業者報酬額-総資産価額×0.05=超過利益金額
超過利益金額×営業権の持続年数(原則10年)に応ずる基準年利率による複利年金現価率=営業権の価額
平均利益金額や標準機業者報酬など、かなり専門性が高く複雑な算式となっていますので、ご自身の事業に関して営業権譲渡をご検討されている方は、一度ぜひご相談ください。