孫への教育資金の贈与 2021.2.16
教育資金は発生する時期や金額が割と明確なので準備しやすいですが、進路によって必要となる金額は大きく違ってきます。
例えば、中高一貫の私立校に通う事で、想定していた資金が足りなくなるというケースも少なくありません。
このような場合、不足分を祖父母の援助で賄えるとご両親としては助かりますが、資金援助は贈与税の対象となる可能性があります。
そこで、活用出来る非課税制度を紹介します。
①暦年贈与
1月1日〜12月31日の間に110万円が贈与税の基礎控除額であり、それ以下であれば贈与を受けても、原則、贈与税は発生しません。
その使用目的・贈与者・受贈者いずれも限定されず、申告等も不要です。
②直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税
30歳未満の受贈者(孫など)が直系尊属(祖父母など)から教育資金の贈与を受けた場合、受贈者1人あたり最大1,500万円までが非課税となります。
教育費は入学金・授業料のほか、通学費、修学旅行代や給食費も含まれます。さらに500万円までは進学塾、英会話といった習い事にも適用されます。
適用となる受贈者は0〜29歳。
ただし、23歳以上は習い事代が非課税の対象外となります。
同様に、受贈者側の所得が1,000万円超の場合も対象外となります。
この措置が暦年贈与と大きく異なるのは、事前に一括して贈与を受けることが出来るという事。
銀行や信託銀行などと一定の契約(教育資金口座に係る契約)を締結して専用口座を開設し、受贈者が領収書等を提出することで教育資金をそこから引き出します。
注意点は教育資金口座に係る契約の終了時の残額は贈与税の課税価格に算入される事、贈与者が亡くなった場合の残額は相続等により取得したものとみなされること等があげられます。
なお、暦年贈与、教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置は、それぞれが併用可能です。
令和2年12月10日に発表された「令和3年度税制改正大綱」において、②の制度が令和5年3月31日まで延長される事が盛り込まれました。