平成29年度路線価発表速報 2017.7.10
平成29年7月3日に、国税庁より本年度の路線価が公表されました。 路線価とは、路線に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことであり、相続税・贈与税の相続税評価額の計算上、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。 路線価が定められていない地域に存する土地等を評価する場合には倍率方式によります。 路線価は、毎年3月頃に国土交通省が公表する公示地価を基準に、評価の安全性等を考慮して、公示地価の8割を目安として付されます。 公示地価・路線価共にその年の1月1日時点を基準に評価しているという点で共通しています。 測定地点の数は、公示地価が約2万6,000地点であるのに対して、路線価は約32万5,000地点です。 公示地価は「一般の土地の取引価格に対して指標を与えることを目的の一つとしています。 景気や経済の動向を伺う上でも重要な指標として取り扱われます。 一方、路線価はその公示地価を基準としていますが、相続税・贈与税の計算に直接影響を及ぼす要因であるため、より細かく定められることが分かります。 標準宅地の平均変動率は全国平均で前年比0.4%のプラスと、2年連続の上昇となりました。 全国の最高路線価は、32年連続で東京都中央区銀座の文具店「鳩居堂」前で、1平米当たりの価格が4,032万円と、過去最高だったバブル直後の3,650万円を上回りました。 近畿2府4県は、大阪・京都が、訪日観光客増加による商業用地の収益性を反映する形で、全体を牽引しています。 地元兵庫県では9年連続の下落となりましたが、下落率は去年と同じで下げ止まりの感があります。県内の最高路線価は三宮センター街320万円で、対前年比14.3%のプラスとなりました。再開発の動きが反映されたと言えます。 報道では、商業地の動向が紹介されることが多いですが、近隣の住宅地などへもその影響は波及していきます。以前にもご紹介したとおり、改正による基礎控除額の縮減で、相続税の申告が必要となる方が改正に比べて増加しました。 路線価は相続税・贈与税の計算に直接影響を及ぼす要因となりますので以前よりも関心が高まっているように感じます。