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平成30年分以降の所得税の配偶者控除等の改正 2018.11.28

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毎年税法の改正がありますが、多くの人が「税制が変わったのか」と感じる税法の改正は、消費税の税率やたばこの値上げ(たばこ税の増加)など、買い物を通じてのことが多いかと思います。

しかし平成30年に関しては、それ以外の状況で「いつもと違うけれど、何か税法変わった?」と疑問を感じるものの、何がどう変わったのかよくわからないという方が多いかと思います。というのは、平成30年分より、サラリーマンの方が行う年末調整に関して、会社から提出を求められる用紙が、2枚から3枚へと変わっているためです。

平成29年分までは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」が提出する書類でした。
平成30年分から、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書」と新たに増えた「給与所得者の配偶者控除等申告書」の3枚になりました。

昨年と今年の用紙を見比べてみると、今までは「保険料控除」と「配偶者特別控除」の2つの控除を、1枚の用紙でまとめて記載していたのが、平成30年分からは分離し、保険料控除のみを1枚の用紙で申告して、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の2つを新たな用紙「配偶者控除等申告書」で申告するようになっています。
これは配偶者控除と配偶者特別控除の改正に伴い、記載すべき事項が多くなったことに起因します。

今までは、配偶者控除は、生計を一にする配偶者で、年間の合計所得金額が38万円以下である「控除対象配偶者」(青色専従者又は白色事業専従者を除きます)がいる場合に、納税者本人について38万円の配偶者控除を受けることができました。
しかし、平成30年分から、配偶者だけでなく、納税者本人の合計所得金額も、配偶者控除の適用の判定の新たな要素として加えられました。
判定の区分としては、納税者本人の合計所得金額が、①900万円以下②900万円超950万円以下③950万円超1000万円以下④1000万円超の4段階に分かれます。
①の場合、今までと同じく38万円の配偶者控除を受けることができますが、②の場合には26万円、③の場合は13万円の控除額となり、④に該当する場合は、控除対象配偶者がいても、配偶者控除の適用が受けることができない(0円)こととなります。
ちなみに、控除対象配偶者で70歳以上の「老人控除対象配偶者」の場合は、①は48万円、②は32万円、③は16万円で、④は0円となります。
制限が加えられたとはいえ、控除額が減少する又は無くなってしまう合計所得金額が900万円超というのは、給与所得だけの人であれば、年収が1,120万円以上の人という事になるので、影響を受ける人は少ないかと思います。
ちなみに国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、サラリーマンで年収1,000万円を超える人は、全体の4%~5%ぐらいだそうです。

配偶者特別控除についても、改正がありました。まず、配偶者控除と同じく、納税者本人の合計所得金額によって4つの区分に分けられ、控除額がより細分化されました(判定の区分は、配偶者控除と同じです)。
なお、納税者本人の合計所得金額1,000万円を超えると、配偶者特別控除の適用を受けられないのは、改正前と変わりありません。

配偶者特別控除のもう一つの改正として、配偶者特別控除の適用拡大があります。
従来、合計所得金額が38万円を超えると、配偶者控除から配偶者特別控除に切り替わり、控除額が合計所得金額の増加と共に、徐々に減少し、合計所得金額が76万円を超えると、配偶者特別控除が受けることができなくなっていました。
平成30年分からは、合計所得金額が38万円を超えても、85万円以下ならば、配偶者控除と同じ38万円控除を受けることができるようになり、かつ上限も123万円と引き上げられました。

配偶者の合計所得金額は、給与年収で言いかえると聞きなじみのある方も多いと思いますが、合計所得金額38万円=給与年収103万円であり、これを「103万円の壁」と言われることもあります。これが合計所得85万円=給与年収150万円となるので、新たに「150万円の壁」という言葉が生まれました。
なお、合計所得金額76万円=給与年収141万円であり、合計所得金額123万円=給与年収201万6千円となっています。

平成30年分から新たに加わった「給与所得者の配偶者控除等申告書」は、自分と配偶者の収入及び所得を記載して、配偶者控除または配偶者特別控除の金額を記載する用紙となっています。
しかし、「年収は、給与明細を見返したらわかるけど、そこからどうやって所得を計算するの?」と思われる方は多いでしょう。表面のところに「この申告書の記載にあたっては、裏面の説明をお読みください」と書いていますが、この用紙の裏側には給与所得の算定一覧表があり、収入金額ごとの計算式が書いてあるので、これを見れば、所得金額を計算することができます。それでも、書き慣れないことなので、どう書いたらわからないという方も多いのではないでしょうか。

それと、年収の中に、給与と一緒に支給される通勤費や通勤手当を含めて申告する方もいるのではないかと思います。よほど多額の通勤代をもらっている場合は例外となりますが、多くの場合、通勤関連の支給は、所得税の非課税対象となります。つまり、所得税を計算する年収の中に、通勤費や通勤手当を入れてはいけないという事です。

具体的な数字で言うと、例えば、毎月10万円の給与と1万円の通勤手当で、合計11万円を1年間もらっている場合(ここでは、便宜上、保険料や税金の控除は考慮していません)、年収として計上するのは、10万円の給与×12ヶ月=120万円となり、額面11万円×12ヶ月=132万円で申告するのは誤りだということです。配偶者に「もらっている給与の金額を教えて」と言うだけでは、上記のような勘違いをすることも考えられるので、給与収入の金額を確認するときは「通勤費や通勤手当を除いた収入金額を教えて」と言うようにした方がいいかと思います。

それと、税務署は紙資源の削減、経費削減の観点から、年末調整関係の用紙の送付枚数を抑えるようになりました。社員全員に用紙を配るために、税務署に用意されている用紙を取りに行ったり、ホームページから用紙をダウンロード・プリントアウトしたりしているところは多いかと思います。会社の近くに税務署があるという方は少ないので、多くの方はホームページからの取得という事になるでしょうが、「裏側の説明なんて誰も見ないだろうから、表面だけの印刷でいいか」と考えて、裏面の印刷をしない用紙を受け取る人もいるでしょう。
そのような用紙を受け取った方は「裏面が真っ白だから、給与所得の計算ができないけど…」と悩むかもしれません。

先述のいくつかの要因から、平成30年においては「給与所得者の配偶者控除等申告書」に関する問い合わせが、例年より多くなり、提出する人も受け取る人も、事務処理や手続が煩雑になっている一面もあります。。

また、所得税とは別に、社会保険の加入義務が発生する給与金額の基準もあるので「150万円の壁」のみを意識していると、社会保険の加入義務が発生し、給与から社会保険料が控除されることで、手取りが少なくなる可能性が出てくるので、配偶者控除等を受けつつ、手取り額を増やそうとしている方はご注意ください。

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