平成30年度路線価発表!! 2018.7.10
平成30年7月2日に、国税庁より本年度の路線価が公表されました。 路線価とは、路線に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことであり、相続税・贈与税の計算上、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。 路線価が定められていない地域に存する土地等を評価する場合には倍率方式によります。 路線価は、毎年3月頃に国土交通省が公表する公示地価を基準に、評価の安全性等を考慮して、その8割を目安として付されます。 公示地価・路線価のいずれもその年の1月1日時点を基準に評価しているという点で共通しています。 測定地点数は、公示地価が約2万6,000地点であるのに対して、路線価は約33万1,000地点と、路線価の測定地点数の方がはるかに多く設定されています。 公示地価は一般の土地の取引価格の指標とされ、景気や経済の動向を伺う上でも重要な指標として取り扱われます。 一方、路線価はその公示地価を基準としていますが、相続税・贈与税の計算に直接影響を及ぼす要因であるため、より細かく定められているのだということが分かります。 標準宅地の平均変動率は全国平均で前年比0.7%のプラスで、3年連続で上昇となりました。過去3年間では最高の伸び率です。 全国の最高路線価は、33年連続で東京都中央区銀座5丁目の文具店「鳩居堂」前で、1平米当たりの価格が4,432万円と、今年も過去最高を更新しました。ただ、去年の上昇率は26.0%だったのに対して今年は9.9%と縮小しています。 近畿2府4県では、大阪・京都が、訪日観光客増加による商業用地の収益性を反映する形で、地域全体を牽引しています。 ただし、都市部では大幅に上昇していても郊外など地方部では下落しているなど、二極化が進んでいます。 地元兵庫県は10年連続の下落となりました。県内の最高路線価は三宮センター街の392万円で、対前年比22.5%のプラスと、近畿2府4県の上昇率では2位と躍進しました。 大阪・京都などの都市部に比べて価格が割安であることや、三宮再開発への期待感が要因と言えます。 昨年の年間訪日客数は2,869万人と過去最高を更新しており、インバウンド効果が顕著に見られます。 特に北海道・ニセコや沖縄県・国際通りなど、外国人観光客が多く訪れる観光地や繁華街で路線価は急激に上昇しており、地元では地域の活性化を歓迎する一方、税負担の増加を懸念するなど、困惑の声も聞かれるようです。 神戸でも、ここ数年のホテル需要の高まりから都市部を中心に阪神間などでは路線価は上昇傾向にあります。今後も地価の動向から目が離せません。