成人年齢引き下げを税法にも適用 2020.12.1
民法改正で令和4年4月1日から成年年齢が20歳から18歳へ引き下げられることになりましたが、相続税・贈与税でもさまざまな年齢要件が18歳に改められます。
■相続税・贈与税に関する影響
①未成年者控除
法定相続人が20歳未満の者である場合においては、下記計算式による金額が「未成年者控除」として相続税額から控除されます。
(※詳しくはこちら⇒婚姻している未成年者の「未成年者控除」)
成年年齢の引き下げ以後においては、未成年者控除の対象となる相続人の年齢についても18歳未満に引き下げられることとなります。
【未成年者控除の計算方法】
改正前:10万円×その者が20歳に達するまでの年数
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改正後:10万円×その者が18歳に達するまでの年数
②相続時精算課税
2,500万円の特別控除額までは贈与税の負担がなく贈与を受けることができ、贈与者が亡くなった時に「贈与財産の贈与時の価格」を相続財産に含めて相続税を計算させる制度です。
(※詳しくはこちら⇒贈与税の相続時精算課税制度 第1回 ~制度の概要)
相続時精算課税は、60歳以上の贈与者から、贈与者の推定相続人(20歳以上の直系卑属に限る)及び20歳以上の孫が受贈者となる贈与について認められます。
成年年齢の引き下げ以後においては、受贈者の要件について、贈与者の推定相続人(18歳以上の直系卑属に限る)又は18歳以上の孫となります。
③直系尊属からの贈与に用いられる特例贈与財産用の計算
贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計し、そこから基礎控除額110万円を差し引きます。
次に税率を乗じて税額を計算しますが、20歳以上の者が直系尊属より贈与を受けた場合、特例税率を用いて税額が計算されます。
今回この計算においても、成年年齢の引き下げ以後においては、受贈者の要件が18歳以上の者とされることとなります。
成年年齢の引き下げについては知っていても、普段関わることがなければ税法の改定まで把握していくのは困難です。
相続は早めの対策が肝心です。
こういった場合はどうなるのか・・・など些細なことでもお気軽にご相談ください。