無効な遺言書 2021.5.24
自筆の遺言書は、故人が最後の想いを書面に遺すものですが、書き方を間違えるとせっかくの意思が反映されません。
無効になるパターンとして、以下のようなものが多いのでご注意ください。
①自筆で書かれていないもの
遺言者本人が自筆で作成していないと、自筆証書遺言書は無効になります。
ただし、民法改正により、遺言書に添付する財産目録に限ってはパソコンや代筆による作成が認められるようになりました。
なお、音声や動画等のデータによる遺言は認められません。
②日付がない、日付があいまいな遺言書
作成日が記載されていない遺言書は無効となります。
また「〇年〇月吉日」といった作成日が特定できないような表記も認められません。
一方「〇年〇月末日」や「遺言者の満〇歳の誕生日」という表記は作成日が特定できるため有効とされています。
③署名・押印がない遺言書
押印は実印が望ましいですが認印や拇印でも認められます。
④複数人が共同で遺言している遺言書
法律上、遺言は単独の意思表示として行わなければならないとされています。
「両親から息子へ」といったものも無効となってしまいますから注意が必要です。
夫婦で同じ用紙に書いてあるものも無効です。
⑤訂正の方法を間違えている遺言書
遺言書を書き間違えたとき、加除訂正の方法は法律で厳格に定められています。
方法を誤ると無効となってしまうので要注意です。
⑥内容が不明確な遺言書
遺言書はそれをもって相続財産の名義変更手続きを行うため、分割内容を記載する際にはどの財産のことなのか誰がみても明らかにわかるような書き方をする必要があります。
不動産などは登記地番と住所表記は異なりますので 通常の住所表記で遺言を書いてしまうとどの土地や建物か特定できず無効になることもあります。
遺言書は自身の財産の行方を決定するための有効な書類です。
大きな力をもつ遺言書の作成や判断は慎重に行うべきと考えます。
従って作成は公正証書にすることが好ましいと思います。
当事務所では専門的な見地から作成のサポートやチェックなどを行っておりますのでお気軽にご相談ください。