特別代理人とは 2022.1.25
特別代理人とは
相続が発生した際、相続人が未成年もしくは認知症、知的障害等で判断能力が十分でない場合において裁判所に申立てを行い、特別に選任される代理人のことをいいます。
特別代理人選任が必要となるケース
(例1)未成年の子どもと親が同時に相続人となるケース
親権者である妻は、未成年の子どもの法定代理人という立場であるものの、相続においては妻自身も相続人であるため妻と子どもの利益が相反する関係となってしまいます。
こういったケースの場合、子の権利が侵害される恐れがあるため、特別代理人を選任する必要があります。
(例2)認知症(もしくは知的障害等)で判断能力が十分でない人とその成年後見人が同時に相続人となるケース
この場合も上記同様、利益相反する関係となるため特別代理人の選任が必要となります。
ただし、成年後見人を監督する成年後見監督人がいれば、改めて特別代理人を立てる必要はありません。
特別代理人を選任するには
特別代理人は、所轄の家庭裁判所に選任の申し立てを行います。
その際、提出書類の一つに「遺産分割協議書の案」というものがありますが、これが利益相反に関する資料として申し立てが受理されるか否かの大事な判断材料になります。
「遺産分割協議書の案」の内容が、特別代理人を必要とする相続人にとって不利な内容になっていれば、申し立てが否認される可能性があります。
申し立てを受理されるためのポイントは次の2点と考えられます。
・未成年者などが取得する財産が法定相続分を満たした内容になっていること
・上記の分配が困難な場合、申し立て書にその困難な理由を明記しておくこと
(例示:未成年者の場合、養育費とするため親が相続するなどの場合)
特別代理人になれる人
特別代理人は相続の当事者でなければ誰でもなることができ、弁護士などの資格も必要ないため親戚などに依頼することも可能です。
また、選任された人は家庭裁判所によって決められた業務のみ代理することが出来、その業務が終わった後は自動的に任務終了となり解任されることになります。
しかし、相続手続きには必要な書類等が多く煩雑であるため、安易に特別代理人を決めずに事前に専門家に相談した上で進めるのがベストです。
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