特別利子補給助成金の収益計上時期について 2021.4.19
日本政策金融公庫(日本公庫)、沖縄振興開発金融公庫(沖縄公庫)、商工組合中央金庫(商工中金)及び日本政策投資銀行から「新型コロナウイルス感染症特別貸付」や「危機対応業務(危機対応融資)」といった借入金の融資を受けた方は多いかと思われます。
特別利子補給助成金とは、これらの借入金について、一定の要件を満たしている方(事業規模ごと(日本標準産業分類によって分類される業種ごとに、常時使用する従業員数に応じての判定)に定められた売上高の要件(売上高が一定割合以上減少していること。
詳しくは新型コロナウイルス感染症特別利子補給事業のホームページを参照)を満たしているなど、いくつか要件あり)に対して、貸付を受けた日から最長3年間にあたる利子相当額を一括して助成することにより、実質的な無利子化を実現するものです。
交付申請書等のいくつかの書類を提出し、審査に通ったら、申請時に指定した金融機関口座に助成金が一括で振り込まれます。
助成金等については、基本的に国や地方公共団体により助成金等の交付が決定された日に、収入すべき権利が確定すると考えられます。
しかし、この特別利子補給制度は、日本政策金融公庫等の一定の金融機関から融資を受けることを条件に、その融資により発生する支払利子を最長3年間実質的に無利子とすることを目的として交付されるものであり、この特別利子補給制度は、融資契約の変更等により利子相当額が変動した場合には、3年経過後に実際に支払った利子相当額により利子補給額が確定することとされています。
したがって、特別利子補給制度においては、交付決定日には利子補給額が確定していないため、入金時に一括で収益計上するものと考えません。
特別利子補給助成金は、支払利子の発生に応じてその発生する支払利子相当額の収益が確定し、無利子化される性質のものと考えられますので、交付を受けた利子補給金の額を、一旦前受金等として負債の部に計上し、支払利子の費用処理に合わせて、その支払利子相当額を前受金等から利子補給金収入等の収益の部に振り替えることとなります。
なお、繰上返済等により、特別利子補給助成金が対象期間の支払利息の総額より多くなった場合は、その超える部分の金額を別途返納する必要があります。
助成金等の収益計上時期は、それぞれの助成金が支給される事実関係によって、様々な時期が考えられますので、その都度確認していくようにしましょう。