申告をしなかった場合、青色申告はどうなる?? 2022.3.14
長く続くコロナ禍でこれまで行ってきた事業や副業で行っていた不動産賃貸業を一旦廃業するという方もおられるかと思います。
廃業をした場合、各所へ届出が必要となります。
(1)個人事業の開業・廃業等届出書
個人事業を廃止したときは、廃止した日から1月以内に税務署へ提出します。
なお、管轄の都道府県税事務所には、「事業開始(廃止)等申告書」を廃止した日から10日以内に提出します。
(2)所得税の青色申告の取りやめ届出書
青色申告をしている場合に、青色申告をやめようとする年の翌年3月15日までに税務署へ提出します。
(3)事業廃止届出書
消費税の課税事業者で、廃止する事業のほかに課税売上に当たる所得がない場合に速やかに税務署へ提出します。
(4)給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
給与支払事務所の開設届を提出していた場合には事業を廃止した日から1月以内に税務署へ提出します。
しかし、廃業が一時的なものの場合、(2)「所得税の青色申告の取りやめ届出書」については慎重に考える必要があります。
これを提出すると、その後事業を再開した場合に再度「青色申告承認申請書」を提出する必要があり万が一、提出期限を過ぎてしまうと青色申告の適用が1年遅れてしまうからです。
法人の青色申告は2期連続無申告の場合取消しされる
法人税法第127条第1項
(青色申告)の承認を受けた内国法人につき次の各号のいずれかに該当する事実がある場合には、納税地の所轄税務署長は、当該各号に定める事業年度まで遡つて、その承認を取り消すことができる。
第4号 第74条第1項(確定申告)の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつたこと
国税庁ホームページの事務運営指針によると、「2事業年度連続して期限内に申告書の提出がない場合に行うものとする。
この場合、当該2事業年度目の事業年度以後の事業年度について、その承認を取り消す。」とされています。
法人については、2期連続して期限後申告(無申告を含む)をすると、2期目から青色申告が取り消されます。
個人の青色申告は無申告でも取消しされない
個人の青色申告の承認の取消しについては、次の所得税法第150条第1項に定められています。
第1号から第3号までは同じ内容の条文が続きますが、所得税法には第4号のような規定がありません。
つまり、個人については、期限後申告や無申告の場合でも青色申告は取り消されないということです。
所得税法第150条第1項では、申告書の未提出は青色申告の承認取り消しの要件となっていないため、休業中であっても法人のように申告書を提出する必要はありません。
個人の場合は、青色申告の取りやめ届出書を提出しない限り、無申告でも青色申告の効力は継続します。
当事務所では、神戸・西宮・芦屋など京阪神を中心に相続税、法人税、個人の所得税など幅広くご相談に応じています。
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