相続手続きに必要な戸籍とは・・・ 2022.5.9
相続が発生した場合、多くの人が最初につまずく手続きが戸籍の収集です。
相続手続きには、被相続人(亡くなった方)の生まれてから死亡するまでの戸籍が必要となります。
始めはご自身で取得を試みるものの、意外と煩雑でお問い合わせをいただくケースも多いです。
戸籍の種類
戸籍には、現在戸籍・除籍・改製原戸籍(「かいせいはらこせき」もしくは「げんこせき」と呼ばれることもあります。)の3種類があります。
①現在戸籍
現在在籍している者が存在している継続中の戸籍です。
②除籍
戸籍に在籍している人が、婚姻や死亡等によって全員いなくなった戸籍のことを指しますが、ある人が婚姻や死亡等によって戸籍から除かれる場合も除籍といいます。
③改製原戸籍
戸籍法の法改正等により戸籍の様式が変更されると、新しい様式の戸籍に書き換えが行われます。その改製前の戸籍のことを改製原戸籍といいます。
戦前戸籍と現行戸籍
さらに戸籍は作成された年代によって、大きく戦前戸籍と現行戸籍の2つに分けられます。
①戦前戸籍
戦前の旧民法の家族制度に基づいて作成された戸籍のことです。
戸主を中心として、戸主の親、妻、子、孫、兄弟姉妹、兄弟姉妹の家族など複数の家族がその戸籍に入っているのが特徴です。
戦前戸籍には、戸籍が改正された年にちなんで、「大正4年式戸籍」「明治31年式戸籍」「明治19年式戸籍」「明治5年式戸籍」の4種類があります。
②現行戸籍
戦後に新しく改正された民法の制度に基づいて作成された戸籍のことです。
1.昭和23年1月1日以降に作成された戸籍です。
2.バインダー式の戸籍謄本(横型)と平成6年の戸籍法改正によりコンピューター化された戸籍事項証明書(縦型)の2種類があります。
3.“一組の夫婦と氏が同じ未婚の子ども”を1つの単位として作成されます。
4.本籍、筆頭者氏名、戸籍事項、身分事項、父母との続柄の5つの欄が設けられています。
5.戦前戸籍にあった「戸主」「前戸主」欄がなくなり、「筆頭者氏名」が設けられました。
6.筆頭者が死亡しても新しい戸籍に作り替えられません。
つまり、筆頭者がお亡くなりになった場合でも、その戸籍に他の人がいる限り、その戸籍は継続することになります。
戸籍謄本と戸籍抄本の違い
現在戸籍の中でもさらに戸籍謄本と戸籍抄本があり、こちらもご質問いただくことが多くあります。
①戸籍謄本
戸籍の原本に書かれている内容全部を写した書面のことで、正式には「戸籍全部事項証明書」といいます。
②戸籍抄本
戸籍の原本のうち特定の人だけを抜粋して証明した戸籍のことで、正式には「戸籍個人事項証明書」といいます。
相続手続の際には、戸籍謄本をご準備いただきます。
戸籍は本籍を置いている住所地の役所に保管されているため、遠方で赴くのが難しい場合は郵送で請求を行う必要があります。
役所ごとの指定請求書を準備するほか、身分証明書や手数料分の定額小為替等が必要ですが役所によって異なる場合がありますので事前に各所のホームページで確認することをお勧めします。
当事務所では、神戸・西宮・芦屋など京阪神を中心に相続税、法人税、個人の所得税など幅広くご相談に応じています。
こういった事例の場合はどうすればいいのか・・・などお困りのことがありましたらお気軽にご連絡ください。