税務署の機構改革? 2021.4.27
新年度が始まり、どこの職場でも人の入れ替わりがある季節になりました。
個人・法人の確定申告や相続税の窓口である税務署も同じで、4月から新規採用の職員が配置されたようです。
例年であれば、新規採用の新人はまず管理運営部門に配属されます。
そこで税金の収納、納税証明の発行、税務相談などを担当して諸税目の知識を蓄え、1年後に個人課税部門や法人課税部門へと配置換えされていきます。
4月に納税証明の取得や税務相談のために税務署を訪れると、初々しい若者が先輩の隣に立っている姿が見受けられたものです。
5月頃になると、その新人職員が単独で相談応対を行い、事あるごとに「しばらくお待ちください」を連発して、お客さんから「いつまでかかるんや!」とお叱りを受ける場面に遭遇した方もけっこう多いのではないでしょうか。
ところが今年度は、新人の職員さん達の姿が見当たりません。
いつもの見慣れた管理運営部門の職員さんが、いつものように対応されています。
その理由は、今年度から新人職員は管理運営部門ではなく、最初から個人課税・法人課税といった部署に配属されたからのようです。
1年目から個人・資産・法人・徴収といった専門分野に配属されて調査官・徴収官へのスタートを切るわけですね。
特段、国税庁から発表もなかったと思いますが、これは平成21年7月から設置された管理運営部門の「アウトソーシング」がいよいよ始まったということでしょうか。
設置当初からの「申告書収受」「申告書入力」といった「税務職員でなくてもできる」作業を税務署の機構から切り離す構想はありました。
管理運営部門の設置から10年以上が経過した現在、大阪市内や神戸市内限定ではありますが「申告書処理センター」が設置され、税務署の窓口は縮小傾向にあります。
近いうちに、この「申告書処理センター」はあちこちに増設されていくでしょう。
最終的には、税務署から管理運営部門がなくなってしまうのではと思います。
そうなった時、やはり一番影響を受けるのは納税者の皆さんではないでしょうか。
以前なら、予約なしに訪れた税務署で気軽に行えた税務相談も、今では相談ブースに設置された電話から相談センターに電話をかけるか、事前予約して個人・法人部門で実名相談を求められます。
相談したいときに無料相談できず、税務署の都合で限定された日時にしか予約できない、なんとも歯がゆい話ですね。
そんな時は、税理士を頼ってください。私共のように「無料相談」を実施している税理士事務所もたくさんあります。
気軽にご相談なさってください。