税法上の遺贈って? 2022.4.4
相続人・相続人以外、どのような立場の人でも遺言書に「財産を譲ります」と指定されていれば財産を引き継ぐことができます。
そのことを「遺贈」といいます。
遺贈は民法上、贈与の一形態とされていますが、財産の移転のきっかけが持ち主の死亡であることから、税法では「贈与税」ではなく「相続税」の対象としています。
しかし、相続人以外の人が遺贈により財産を取得した場合、通常の相続人とは違い、以下の控除を受けることができません。
・未成年者控除…相続や遺贈で財産を取得したときに18歳未満である人(令和4年4月1日以降の相続)
・障害者控除…弊所ブログ「相続税法における障害者控除」参照
・相次相続控除…弊所ブログ「相次相続控除とは」参照
また、財産を取得した人が「被相続人の配偶者と一親等の親族(子どもと両親)」以外だと、相続税は2割増しになります。
孫や兄弟姉妹、友人などが受遺者のときは、納税額に注意しなくてはなりません。
ただし、代襲相続をした孫の相続税は2割増しにはなりません。既に亡くなった子の相続人の地位を引き継いでいるからです。
相続人が死亡保険金を受け取っても、死亡保険金の非課税枠「500万円×法定相続人の数」までは課税されません。
しかし、相続人以外の人が受け取った死亡保険金にはこの非課税枠を適用することができません。
遺贈には他にも注意すべき点があります。
まず「不動産取得税」です。
購入や贈与などで不動産を取得すると、不動産取得税がかかります。
しかし、相続や包括遺贈で取得すると非課税です。
ただ、相続人以外の人が特定遺贈で不動産を取得すると、不動産取得税がかかります。
財産を取得した人の立場や取得形態には、注意が必要です。
遺言書や相続に関するお悩みがある方は是非一度私共事務所へお問い合わせ下さい。