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買換資産の取得価額について 2022.5.16

令和4年の予定納税

不動産を譲渡して確定申告を行う際、「収用代替」「居住用資産の買換」「事業用資産の買換」等の特例を適用すると所得金額・納税額がかなり低くなります。
ただし、これは非課税規定ではなく、将来に向かって課税が繰り延べられているだけで、実際には買換資産の取得価額を圧縮して、将来その不動産を譲渡した時に繰り延べた課税を実現しますよ、ということです。

減価償却資産について特例を適用すると、買換資産取得後、毎年の確定申告を行う際に減価償却費が実額計上されないので、比較的わかりやすいと思います。
ただ、買換資産が居住用財産や土地であった場合、または特例適用した方がお亡くなりになり、それを相続により取得した後に譲渡した場合など、ご本人や税理士でさえ圧縮計算の必要性に気付かないこともあります。
圧縮された取得価額を無視して、実額計算により確定申告したら・・・
後日、必ず税務署から指摘を受けて修正申告、ということになってしまいます。
特例を受けたのが10年前でも20年前でも圧縮計算は引き継がれます。

では、税務署はなぜそんな昔の特例を把握することができているのでしょうか。
税務署には「取得価額引継整理票」という書類があります。
これは、特例適用により行われた特殊な計算結果を引き継ぐために、課税庁が残したメモのようなものです。
原則として、買換物件所在地の管轄税務署に保管してあります。
場合によっては、特例適用の確定申告書を提出した税務署にも記録が残っていることがあります。
整理票の作成時と物件売却時で所有者名が変わっている場合(相続による承継など)でも、課税庁は特例適用した物件所在地名で管理していますので、うっかり取りこぼし、ということはありません。

相続により取得した物件を売却する場合、上記のような特例が適用されている可能性がありますので、申告前に①当時の申告書類を確認する、②担当した税理士に問い合わせるなどの方法で確認されることをお勧めします。
それでもわからない場合、税務署(資産課税部門)に「取得価額引継整理票」の有無を問い合わせてみるのも有効な手段です。
調査による指摘を受けて修正申告を行う場合、加算税が賦課されることになりますので、是非事前の確認を実践なさってください。
問い合わせ方法がわからない、直接税務署に問い合わせるのは気が進まないような場合には是非弊社に一度ご連絡をください。

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