贈与税の相続時精算課税制度 〜 第4回 2018.4.18
・2,500万円の特別控除の適用を受けるには贈与税の期限内申告が必須条件! 相続時精算課税制度を選択しようとする場合はそもそも贈与税の期限内申告が必要ですので、最初の年については忘れることはないでしょう。 一度この制度を選択すると、一生やめることはできないため、精算課税を選択した親から子に行われる贈与については極端な話、例えそれが1万円の贈与であっても、原則でいえば贈与税の申告が必要となります。 精算課税制度適用初年度に1,000万円の贈与を受けた場合、特別控除額の2,500万円以内ですので、贈与税の納税は必要ありません。 その後しばらくして、100万円の贈与を受けましたが、特別控除額はまだ1,500万円残っているものですから、贈与税はかからないと判断して期限内に申告していませんでした。 さらに時が経ち、精算課税を選択した親が亡くなり、相続税の申告を行う際に、先の100万円の贈与について「贈与税の申告漏れ」が判明しました。 精算課税の場合、20%の税率ですからこの場合は20万円の贈与税と、延滞税・無申告加算税というペナルティも課せられます。(ただし、贈与税20万円は支払うべき相続税から控除することができます。) このように一度相続時精算課税制度を選択してしまうと一生撤回することはできない、ということがこの制度の一番のデメリットではないかと個人的には感じます。 相続税で設けられている「配偶者に対する税額軽減」や「未成年者控除」「障害者控除」などの税額控除の制度と違い、相続時精算課税制度についてのみ、贈与税の時点で納め過ぎとなっている場合には相続税の申告の際に還付を受けることができるというのも、この制度の大きな特徴です。 全4回に渡り、相続時精算課税制度についてご紹介してきましたが、今回でひとまず最終回です。制度の利用を検討されている方は、実行の前にまずご相談ください。