遺言書を作成できない人 2021.10.27
遺言書はのちのちの相続人同士のトラブルを避けるためにも、非常に有効な生前対策です。
また自分の好きなように財産を分けることができるのも大きなメリットです。
しかし残念ながら遺言を作成できない方がいます。
まず大前提として
意思能力のない人は作成できません。
代理人は作成できません。
遺言作成は本人しかできません。
15歳未満の人は作成できません。
言い換えれば15歳に達した者は遺言をすることができます(民法961条)
義務教育が終了する年齢15歳から遺言を作成することができるわけですがしかしながら遺言は法律行為ですので意思能力があることが前提ですので15歳になっても意思能力がない場合は遺言能力はないとされ、その遺言は無効になってしまいます。
成年後見を受けている人はできません(民法963条)。
事理を弁識する能力を一時回復した時には遺言することができますが医師2人以上の立会いが必要です(民法973条)
認知症の方の遺言は意思能力がなかったと判定されますとせっかく作った遺言が無効になります。
反対に次のような方でも作成できます。
高齢や病気けがなどの影響で字が書けない方も作成できます。
自筆証書遺言では字が書けない場合は作成できませんが、公正証書遺言では公証人に遺言内容を伝えれば公証人がそのとおりに全文を作成します。
外国人の方でも作成できます。
日本の方式で遺言を作成する場合、言語は日本語でなければならないといった規定はないため、自筆証書遺言は母国語で書かれた遺言書であっても有効で、外国人はサインをすれば押印は不要です。
ただし自筆証書遺言で検認が必要な場合は日本語による翻訳文が必要であったり、戸籍制度がない国がほとんどであるため相続人確定の手続きが煩雑になることが予想されます。
従って公正証書遺言の方がスムーズであると思われます。
しかし公正証書遺言は日本語で作成されますので日本語を解せない場合は証人2名と通訳人立会いが必要となります。
遺言書を作成してみようかなと思いつつ、どのように書けばよいかわからない、どの種類の遺言方法がご本人にとって有益かなど、当センターでは基本的なことからご相談頂けますので、どうぞお気軽にお問合せください。