ゴルフ会員権は相続財産!? 2017.12.21
相続税の計算をする上で対象となる財産は、被相続人が亡くなった日現在に所有していた財産の全てです。
案外見落としがちですが、ゴルフ会員権を所有している場合、その権利も相続財産に含まれます。
ゴルフ会員権とは、会員制のゴルフ場を利用できる権利の事をいいます。
預託金(無利息でゴルフ場に預ける保証金のようなもの)を預けたり、株式が発行されたりするため、資産として取り扱われます。
過去には高額で取引された時代もあった為、実際にゴルフをプレーするという目的以外にも投資目的で購入されていた方もおられるでしょう。
なお、株式の所有を必要とせず、かつ、譲渡できないゴルフ会員権で、返還を受けることができる預託金等がなく、ゴルフ場施設を利用して、単にプレーができるだけのものについては評価しません。
ゴルフ会員権を評価する場合、取引相場のあるものと取引相場のないもの、2つの区分に分かれます。
1.取引相場のある会員権
ゴルフ会員権の大半がこちらの取引相場のある会員権となります。
被相続人の死亡の日(贈与の場合は贈与により財産を取得した日)の取引価格の70%に相当する金額によって評価します。
取引価格は、ゴルフ会員権を扱う業者に確認するか、インターネットのゴルフ会員権を扱うサイト等でも調べることが出来ます。
取引が成立している価格を参考にし、複数の取引価格を平均した価格を用いられることが多いようです。
実際に売却する場合は、その売却額も参考となります。
また、取引価格に含まれない預託金等があるときは、次の①②のいずれかの金額との合計額によって評価します。
①被相続人の亡くなった日(贈与の場合は贈与日)において直ちに返還を受けることができる預託金等の金額
②被相続人の亡くなった日(贈与の場合は贈与日)から一定の期間を経過した後に返還を受けることができる預託金等は、その期間に預託金を運用した場合に返還額になる金額(現在価値)
2.取引相場のない会員権
取引相場のない会員権は、ゴルフ会員権の形態に応じて評価方法が変わり、大きく分けて3つのケースがあります。
①株主でなければ会員になれないゴルフ会員権
財産評価基本通達の定めにより評価した課税時期における株式の価額に相当する金額によって評価します。
②預託金を預託しなければ会員になれないゴルフ会員権
この場合は、返還される預託金の金額で評価します。
ただちに預託金の返還が受けられる場合は、そのままの金額が評価額となります。
一定の期間を経過した後に返還を受けることができる預託金等は、その期間に預託金を運用した場合に返還額になる金額(現在価値)で評価します。
③株主であり、かつ預託金を預託しなければ会員になれないゴルフ会員権
株主であり、かつ預託金を預託しなければ会員になれないゴルフ会員権は、株式部分と預託金部分に区分して計算した金額の合計で評価します。
ゴルフ会員権の評価額の算出は、お持ちのゴルフ会員権によって様々で、複雑なものが多くあります。
相続税の申告を正しく行えるよう、相続税に特化している専門家に相談しましょう。
また、解約や名義変更の手続きにはゴルフ場にもよりますが、かなりの時間が掛かる場合がありますので注意が必要です。