「休眠預金」はありませんか? 2018.5.9
「引越し後、利用していた金融機関が不便になった。」 「結婚で名字が変わり、口座を利用しなくなった。」 「通帳や印鑑、キャッシュカードを紛失してから放置していた。」 など、いろいろな理由によって何年も取引のない預金口座はありませんか。 長期間取引がなく預金者に連絡も取れなくなった預金口座に預けた金銭を、休眠預金とよびます。 金融機関が、最後の取引(金融機関からの利子の支払いは除く)から10年たった預金口座のうち残高が1万円以上ある口座の預金者に通知を送り、その通知が届かずに戻ってきた場合は休眠預金となり、1万円未満だと自動的に休眠扱いにされます。 ただし、ご安心ください。預金者からの請求があれば、今後も払い戻しには応じてもらえます。もとは自分のお金ですが、なんだか得した気分にもなりますね。 今まで多くの金融機関は、休眠預金残高を雑益として収益に計上して、払い戻しがあれば雑損として処理をしていました。 2018年1月に施行された「休眠預金等活用法」により、今後休眠預金は預金保険機構に預けられNPO法人などへの支援を目的に社会のために生かされることになります。 毎年あらたに約500億円が当機構にて管理される予定です。 それでは、相続においてはどのように扱われるのでしょうか。 休眠預金とはいえ、相続財産の一部です。 なかには、多額の預金が預けられていたにもかかわらず、相続人がその存在に気づかないまま相続税を過少申告してしまい、後日税務署からの指摘により修正申告をすることもあります。 また、あとから発覚した休眠預金の払い戻し・解約のためには、再度「遺産分割協議書」を作成したり、手続きの時点で相続人が死亡している場合もあり、複雑な手続きになります。 これを機会に、眠っている口座を解約・整理してみてはいかがでしょうか。 なお、金融機関や預貯金の種類によって取り扱いの規定が異なりますので、お手続きの際は直接各金融機関へご確認ください。