NISA 期間満了時の取り扱い 2018.12.5
2014年に始まったNISA制度ですが、非課税期間は5年間で満了となります。つまり、2018年の年末に2014年の非課税枠が無くなり、はじめて「5年後」が到来することになります。 この時の選択肢は以下の3つとなります。 ①非課税期間終了前に売却 ②課税口座(特定口座又は一般口座)へ移管 ③翌年以降のNISA非課税投資枠へ移管する なお、③の手続は一般的に「ロールオーバー」と言われています。 何も手続をしなければ、金融機関は自動的に②の手続をとることになりますので、引き続きNISAを利用するには③の手続が必要となります。 ロールオーバーの注意点としては、ロールオーバーは、同一の証券会社でのNISA口座で保有されている商品に限られており、他の金融機関のNISA口座に移管させてからロールオーバーをするには、別途移管先の金融機関への取引変更手続を取る必要があります。 また、NISAと似ている「つみたてNISA」ではロールオーバーすることはできません。 ロールオーバーする商品の価格は「前年年末最終営業日時点の時価」となります。では、2014年の非課税投資枠を満額(100万円)利用していて、2018年の年末最終営業時点の時価が、2019年の非課税投資枠120万円を超えている場合、超えている部分はどう取り扱われるかというと、従来は、超えた部分は課税口座へ移管されることになっていましたが、改正により、値上がりした部分もそのままロールオーバーすることができるようになりました。 逆に2018年の年末最終営業時点の時価が120万円以下である場合、時価と120万円との差額部分については、非課税投資枠を使い切っていないことになるため、新たに買い付けをすることができます。 売却した場合の課税関係について、①の場合においては、売却益が発生しても、課税されません。一方、売却損が発生した場合、これを他の口座と損益通算することはできません。 ②の場合も、基本的に①と同じ取扱いになりますが、①は買付時の価格と売却価格との比較で売却損益を計算するのに対し、②は課税口座への移管時(5年満了時)の価格と売却価格の比較で売却損益を計算します。 例えば、今後値上がりする見込みがない場合、①のように年内に売却すれば、売却益は非課税となります。 また、将来の見込価格<移管時の価格の場合(売却損が見込まれる場合)は、NISAでは売却損の損益通算ができないため、課税口座(特定口座・一般口座)への移管をした方が有利となり、将来の見込価格>移管時の価格の場合(売却益が見込まれる場合)は、売却益が非課税となるNISAへの移管(ロールオーバー)をする方が有利となります。 今後順次NISAの非課税期間の満了が到来しますが、その都度、買付時の価格・移管時(5年満了時)の価格・将来の見込価格の3つの価格を考慮して、NISAでの取引を継続するか終了するかを決めていきましょう。